ヨシの植栽2026
- riasnomori
- 5月29日
- 読了時間: 2分
東日本大震災から、まるまる15年の月日が過ぎました。あの日、津波によってわずかな時間でヨシ原が受けた傷は凄まじく大きなものでした。東北工業大学教授/特定非営利活動法人環境生態工学研究所の山田一裕先生によれば、元々あったヨシ原が約200ha(ヘクタール)、そのうち津波で失ったのが100ha。これまでに回復できた面積がおおむね30ha。その回復はもちろんヨシの自力もありますが、山田先生が指導してきたヨシ根茎の植栽活動も、コツコツと積み重ねることで成果を出してきました。植栽活動は12年目、干支ひと回りですね。その間、ずっとボランティアとして汗を流してくれたのが宮城県仙台二華中学校の、毎年の2年生の皆さんです、今年も104名が、北上川の河川敷に降り立ちました。

まずは「生き物調査」。干潟1m四方にロープを張り、その内側の砂泥を15センチほどの深さまで掘りバケツに取ります。砂泥をザルにあけて水たまりで洗い流すと、大きなものが残ります。大抵は木くずや死んだシジミ貝殻だったりしますが、中には動くやつが。カニ、ゴカイ、小魚……。そういった小さな住人が、ヨシ原の生物ピラミッドの一番底辺なのです。

そして「ヨシの植栽」苗となるのは、手近に生えている健全なヨシ群落。春に芽吹いた新芽はもう1mくらいに伸びています。その根っこを掘り起こして、大人の親指以上に太くなっている根茎を、ヨシがまだ生えていない砂泥地に穴をあけ、植え付けます。根っこを掘る班、バケツで運ぶ班、植える班。3グループに分かれてのリレー作業です。


昼食を挟んで午後は座学です。昨年と同じく、ヨシを屋根や葦簀に利用してきた暮らしの話を、茅葺屋根工事社の熊谷産業スタッフ、山田一裕先生から。近年、一緒に活動をしてくださる宮城昆虫地理研究会の町田禎之さんから、ヨシ原に生きる希少種の昆虫、ヒヌマイトトンボについて解説してもらい、プログラムを修了しました。みなさんありがとうございます。
発災当時、70cm以上も沈下していた地盤は、震災前の高さを通り越して10数cmから20cm近く高くなってしまいました。今度は、満潮で汽水域の水が満ちていた場所が増え、外来植物の侵入などが増えるといった問題が生じています。ともあれ、水が満ち引きする干潟はまだまだ広く、ヨシが戻っていない砂泥も広がっています。茶色い泥の隙間が見えないくらいに茂る一面のヨシ原が風に揺れる日まで、さらに息の長い取り組みをお願いいたします。



コメント