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能登の和紙職人、遠見さん来訪 北上小学校 ヨシ紙漉き

riasnomori

更新日:3月20日

*本投稿の活動は、特定非営利活動法人東日本大震災こども未来基金からの助成金を活用して実施しています。同基金のHPはこちらです。

石巻市立北上小学校の5年生にとって、毎年12月のヨシ刈りと年明けのヨシ紙漉きは、セットの体験です。でき上がった紙は、6年生に進級してさらに1年間学んだ後、自身が受け取る卒業証書の用紙。小学校生活の「仕上げ」なのです。

毎年その指導をしてくださる遠見和之さんは、石川県能登半島の輪島市仁行(にぎょう)地区で和紙を漉く職人さん。能登半島といえば昨年の元日、大きな地震に遭った、いま暮らしが一番大変な地域。復旧も思うように進まない5月、困難を押して北上小へヨシ紙漉き指導に来校してくださった遠見さんでした。しかしその後9月にはさらに豪雨が半島を襲い、またも大切な人命が失われ多くの暮らしが破壊されました。いまなお復旧と生活の再建が遠い能登地方。ですが、今年も例年通り、遠見さんは来てくださいました。本当に頭が下がります。

10時間もかかるドライブのお供は、紙漉きのための道具一式と、みんなで刈ったヨシを遠見さんがペースト状に加工した紙料(しりょう/紙の材料)。ヨシを釜で煮上げ、細かく細かくくだいたペースト状です。これをお風呂のような[漉き船]の水に溶かし、液体の糊を加えて、さあ始まりました。

卒業証書サイズの「漉き桁」を、水面に差し込みすくい上げます。すると、漉き桁の底から水が流れ落ち、四角い枠の形にヨシの繊維が残ります。次はこれを逆さにして(はがれ落ちない!)、さらし布の上に置き、漉き桁をはずして、1枚完成。小さな名札を置いて、さらし布を1枚はさみ、次の漉き手の1枚を重ねていきます。

今年の5年生は15人。保護者のみなさんも挑戦しました。


終わって遠見さんは能登へと帰ってゆきました。みんなが漉いたヨシ紙を大切に持って。能登の工房で、もう翌日には1枚1枚乾かし、仕上げるとのこと。北上小へ送られてくるのが楽しみですね。

地震で工房に水を引く施設や、紙料を煮る釜の土台などが壊された遠見さん。なんとか修理したところに9月の豪雨で、工房は水浸しになったとか。消防団員も務めているという遠見さんは、自宅だけでなく仁行地区の保安にも駆け回る日々のようです。遠見さん、どうかご安全に。そして疲れないようにがんばってください。



 
 
 

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