辰を継ぎ この世なる夢 巳で目指し〜北上小学校生ヨシ刈
- riasnomori
- 2024年12月6日
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更新日:3月20日
*本投稿の活動は、特定非営利活動法人東日本大震災こども未来基金からの助成金を活用して実施しています。同基金のHPはこちらです。
師(寺の和尚)も走るから師走。だそうで。北上川は12月らしいヒヤリとした空気に包まれました。北上川河川敷のヨシの広がりに集まった、石巻市立北上小学校の5年生15名。恒例、ヨシ刈です。かつてはこの土地で暮らす人たちがみんなでする冬仕事でした。刈って、傷んだヨシを取り除いて、保管して。今年は〇〇さんの茅葺き屋根を補修しよう、〇〇さんの屋根を半分くらい葺き替えよう。と、決めて作業するのもみんなで。この仕組み(共同体)を「結」(ゆい)と呼びました。
右も左も見渡す限り枯れ色のヨシ原に散らばってゆくカラフルな5年生たちは、堤防の上から見るとほんとうに小さな点みたい。でも間近に寄って見れば、3メートルにもなるヨシを根元に、教わったように鎌を当て、カリ、カリ、ザリ、ザリと乾いた音を立てて刈っています。みんながみんな「未体験ゾーン」……そうだよねえ、中の人(もうすぐ還暦!)だってほとんどやったことなかったもん。



束ねるのも、ちょっと要領がわからず困ります。お手本は、まとめて抱きかかえて、地面にとん、とん、すっとんとん。根元が揃ったら横たえて紐でくるっと丸きます。直径30センチ以上あるけど、一人で持てる!この軽さも、屋根材料にもってこいの理由です。なんつっても英語ではストロー。そう飲み物のアレと同じ、中空ですから。この辺は、11月半ばに数週間前に来校したヨシ原の研究者、山田一裕先生の事前学習でも学びました。



束ねたヨシは、りあすの森が責任をもって、石川県は能登の和紙職人、遠見和之さんの元へ送ります。順調であれば遠見さんはヨシを和紙の材料に加工して、年明けの1月に紙漉き道具一式とともに来校してくださるのですが。今年元旦には能登半島地震、9月には集中豪雨に見舞われました。遠見さんの集落はなんとかご無事だそうですが、紙漉きについてはただいま調整中です。
毎年、ヨシ刈のしめくくりは、ヨシで書く干支文字。今年はヘビ〜[巳]です。堤防の上から大きな声で指令を飛ばす役、ヨシの束を並べる役。簡単なようで難しいものです。太さ、バランス、向き……でも何回も並べ直したかいがありました。満足がいく出来で、終わりヨシ!でありました。



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